お宅訪問

絶対ムリだと思っていた、台形の土地での事務所兼住居づくり

のどかな川沿い、道路に挟まれるような台形の土地に建つ家。レッドシダーの板壁に「アヤ不動産事ム所」のおしゃれなタペストリーがかかっている。1階はご主人・両親が営む土地家屋調査士事務所と奥さまが営む不動産事務所、2階はO様一家の住まいという自宅兼事務所だ。事務所と別に設けた玄関から階段を登って住居へ入ると、優しい木の空間、そして目に留まるキッチン前の天井にある……、うんてい！　「うんていが子どもの心身の発達に良いという話を聞いて、『うんてい』中心に家を考えました。特注です」と、自慢げなご主人。5歳のMちゃんは両親の補助のもとでスイスイ遊び、1歳のKくんも興味津々。飼い始めたばかりの愛犬とともに、明るくはつらつとした家族の空気を、この家が暖かく包んでいる。

家業を継ぐため、夫妻が大阪からご主人の故郷へ戻ってきたのが約5年前。近くのアパートで暮らしていたが、「事務所も古くなって建て替えが必要だから、どうせなら住居兼事務所にしては？」とお父さんからの提案があった。とはいえ、台形の広くはない土地に「正直、ここに『住む』イメージがまったく湧かなかった」と奥さま。そこで、ひとまず相談に行ったのが［SORAデザイン］だった。家の雰囲気が好きで、大阪時代からずっと気になっていたビルダーだったのだ。変形地で狭い上に事務所も兼ねるという、変化球ばかりの家づくり。奥さまの脳裏には不安しかなかった。

最後の最後まで希望に寄り添ってくれた他にはない家づくり

［SORAデザイン］を訪れて相談すると、田﨑さんはすぐに土地を見に行き、ファーストプランを作ってくれた。1階の職場と2階の住居と完全に分けたい、部屋数は少なくていいのでリビングを広く、川沿いにある立地が活きる間取りがいい、来客用の駐車場も必要……。「無茶ぶりかな」と思いつつも希望の投げかけていたが、それらが予想以上にしっかり形になっていて、奥さまは感激した。「この土地でもいける！と確信できたんです」。［SORAデザイン］の魔法のような提案が、不安からスタートした家づくりを推し進めてくれた。

窓の外には川と緑、夏には花火も。大事なふるさとの記憶。

ゆったり広いLDKは、川の景色がよく見える大窓がアクセント。キッチンの窓からも川を眺められるのは、奥さまのお気に入りだ。ダイニングテーブルも兼ねるコの字のキッチンは［SORAデザイン］の提案で水廻りだけ使い勝手のいいステンレスの天板に。そして、LDKの温かな空間を作り出しているのが、珪藻土の塗り壁と、床・天井に張られたオーク材のナチュラルな質感だ。「予算の都合で、天井を板張りにするかは最後のギリギリまで悩んだんです。でも最後は、『もう、貼っちゃおう』とSORAデザインさんが背中を押してくれて。貼って良かったと、住み始めてから実感しています」とご主人。

1階の事務所に両親が通勤し、ご主人と測量事務所を営む。一方で奥さまは宅建資格を取得し、不動産事務所を独自に開業してキャリアアップを果たした。仕事も、暮らしも、そしてこれからの子どもの成長も。O家だけの家族の形を、この家が暖かく描き、支えている。