熊本市東区在住/Kさんのお住まい
家族が過ごす時間を想いながら描いた“内側に開いた”平屋
「お任せで」、そんな一言で生まれた、大人な雰囲気の平屋のお家。
家族の暮らしへの想いを詰め込んで。
ダークな“家の中”と爽やかな“お外”の空間。その対比に、思わず見惚れる。
引っ越し直前という貴重なタイミングで、[SORAデザイン]が建てたKさん邸を訪問させてもらった。建て込んだ住宅街の中に現れたのは、ダークグレーの壁が前面に立つ平屋。中の様子をうかがい知ることはできない。「多分、入るとびっくりしますよ」とスタッフの案内に、胸を高鳴らせながら中へと歩みを進める。
少し天井が低い玄関からリビングに入ると、外観からは想像もつかない空間が広がっていた。「天井高い、広い、カッコいい!」と思わず口に出してしまう。全面ベージュ色の塗り壁と、床のアカシア材の木目が、なんとも格好いい。そしてリビング横に広がる中庭には、ウッドデッキと、空に伸びる紅葉の木。道路からは壁で隠されているので、外からの目線も気にならない。のんびり昼寝や読書やおうちピクニックを楽しむ…、そんなぜいたくな家族の風景が、途端に頭に浮かんだ。
外から隔離されているのに“外を感じられる平屋”
ここに住むのは、40代の夫婦とお子さん。ご主人が好きな「黒」を基調に、ご夫婦の年齢になじむ、シンプルで落ち着いた空間に仕上げた。「家の中にいても“外”を感じられるのが、こだわりの1つ。キッチンに立ったとき、正面の窓から中庭の緑、そしてお向かいの家の木々も“借景”して、自然がぱっと目に入るんです」とスタッフ。
土地と会話して導き出した、「こもりたくなる」住みやすさと居心地
もともと[SORAデザイン]の社長と面識があり、家のデザイン性や質の高さに厚い信頼を寄せていたKさん夫妻。そのため、「リビングの天井を高くしたい」「黒が好き」以外はほとんどお任せでオーダーしたそう。
Kさんが購入した土地は、平屋に十分な広さはあるものの、南・東・北には2階建ての住宅が密に隣接する難しい立地。そこで、設計の工夫で「周りの視線が入らず、リビングの南側に中庭がある平屋」を叶えた。中庭に向けて「内側に開けた」造りになっているので、外側を壁に囲まれても圧迫感はなく、明るく開放的。「しかも、ウッドデッキはランドリールームにつげています。屋内干し場や収納棚もランドリーに設置して、家事の動線にもこだわっています」。
家族がみんなそろう“夜”が一番、居心地よくなるように。
キッチンは、憧れ「キッチンハウス」の黒をセレクト。背面のカウンターをあえて長く伸ばし、パソコンや勉強に使えるように。そしてリビングのすぐ横には、フリースペースと子ども部屋を配した。いろんな居場所も家族のつながりもある、そんな空間造りだ。
そして、「この家に家族がそろうのは夜。だから、夜が一番映える空間にしたんです」とスタッフ。LDKの証明も、あえて暖色しかいれていないという。ベージュの壁にオレンジの灯りが良く映える。黒やシルバー系で潔く統一したインテリアも、また夜の空間に映える。中庭の窓から星空を見上げるのもまた、楽しそうだ。
そして新築ながら思い切り深呼吸をしたくなるような空気の気持ちよさに気付いた。「『澄家』という次世代換気システムのなせる技ですよ」とスタッフがにっこり。空気がきれいになるばかりか、この広い平屋がエアコン一台で事足りるという空調システムなのだそう。家族でおうちにこもる時間が、一番居心地良くて楽しい…。そんな、ぜいたくな平屋のカタチを見た。